初見感想『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』

Beginningの初見感想と対になるよう、シリーズの初見感想を残す。

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シリーズ全体として、密度高く展開速く、とても楽しめる1クールだった。考察や元ネタ探しをするにしてもしないにしても、単純にお祭りとして楽しめる作りになっていた。ガンダムに詳しくない自分としては評価を保留するが、オマージュが時にミスリードにもなる構造は面白かった。

if宇宙世紀的な仮想戦記の一本筋ではなく、あくまで並行世界のひとつとして巻き込まれていく構造が明かされたところで、これはマチュとニャアンの物語なのか、とモヤる部分はあった。並行世界やタイムリープを描く多くの作品が「主人公が経験する物語」であるのに対して、巻き込まれつつ観測者でもある立ち位置は興味深くもある。

終わりよければ全てよし、エピローグの手際は見事だった。「本物の海…泳ぎたかったな」と第9話で一瞬通過した地球の海に、ラストで2人がたどり着くという構成も好みだった。

総じると、“シン・ガンダム”に着地せずに良かった、という安堵感が大きい。

初見感想『メイクアガール』

クリエイターの個人制作に近い作品らしい、という前情報だけで観に行った。

ロボットに感情があるとしたら、人間とロボットの関係性はどうなるのか。一度は読んだり見たりしたことのありそうな題材を、ひねってみると面白くなるのかもしれないかも……。そんな読後感を持ちつつ、ルックや演出にはほどよい印象を持った、気がする。0号ちゃんはかわいい。

個人的な気分の大半はアキバだった。秋葉原の近辺が多く描かれ、御茶ノ水駅から神田明神に向かう途中にあるコンビニの交差点や、見慣れた石段。そして、ジョナサン妻恋坂店には思い出がたくさんある。見知った場所のインタビューで始まるアダルトビデオのような興奮があった。

舞台設定が御茶ノ水から秋葉原とすると、御茶ノ水から水道橋だった『すずめの戸締まり』と逆方向になっている。余計なことを考えていると、新海誠監督のとある作品の演出を想起させるワンシーンがあったりするのも一興だった。

どうやら今作の延長線上にある次回作も予定されているようなので、いろいろな角度から楽しみにしたい。

初見感想『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』

ミリしら程度にミクしら、もちろんプロセカも知らずに観に行った。

バンドだったり舞台俳優チームだったりグループごとにセカイがあって、そこにミクさんやボーカロイドたちがそれぞれ存在している、という世界観をまず受け入れる。ボーカロイドたちの会話はいわゆるボカロっぽい音声で、ちょっとこそばゆい。

歌で応援する気持ちが届かなくなったセカイから迷い込んできた歌えないミクさん。届かなくなった相手のストレス描写に迫力があって、受験シーズンに見せて良いモノか心配すらしてしまう。

個人的には歌詞をあまり聴かないほうなので、「歌で応援」の気持ちに完全には寄り添えないけれど、多くの楽曲を力強く届けようとしている、ファンムービー以上の良い作品だった。

おまけ。

 

初見感想『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』

シリーズアニメの先行上映なのでスルーしても良いかとも思ったけれど、どうせ話題になるだろうからと公開初日に観に行った。

見覚えのあるファーストカットから始まり、どこまでこするのかと微笑んでいたら……ずっとずっと……正史から分岐してもその先も……

わりと長く感じる尺で、“シン・ガンダム”では無いことを期待していた気分もあったので少しゲンナリした。『トップをねらえ!』で見たようなカットがあるなあなどと考えているうちに、異世界転生してしまう。

さて、本編。どんな異世界の話かと身構えていたら、if宇宙世紀の何年か後の話に。なるほど、そういう組み立てだから丁寧にif宇宙世紀を描いたのか、と勝手に納得した。

劇伴に慣れない感じと、前半の疲れからノリきれない本編ではありつつも、ジークアクス奪取の流れは勢いがあって良かった気がするので、いつになるかわからないテレビ放送が楽しみだ。